僕は普段、夜勤前に1本、夜勤中に1本、夜勤後に1本、
モンスターを3本飲んでいます。
自分でも「それはさすがに飲みすぎでは?」と思うことはありますが、
気がつくと、身体がコンビニのエナジードリンクコーナーに手を伸ばしているんですよね。
そういう仕様です、僕は。
で、その日もいつも通りモンスターを3本摂取し、
脳だけギンギンに冴えたまま家に帰ってきたわけですが、どうにもこうにも眠れない。
そのとき、僕はふと思ったんです。
「本でも読むか」
これが、涙あり、興奮あり、カフェイン過剰ありの、
不思議な読書体験の始まりでした。
なぜ3本も飲んだのか
夜勤前:まず1本、気合いの儀式
夜勤が始まる前、僕は必ずモンスターを1本飲む。これはもう儀式だ。
「さあ今日も戦いが始まるぞ」という気合いのスイッチ。
出勤前、駅の自販機(なぜか220円)でモンスターを購入するあの瞬間。
「クイックペイ♪」
すでにテンションは高まっている──飲んでもないのに。
この1本目は、“目を覚ます”という意味もあるけれど、
実は“覚悟を決める”ための1本でもある。
職場についたとき、エナドリの缶を握っていると、なんだか「戦士」っぽい気分になる。
飲んだあとは、体がバキッと覚醒する……気がする。
実際には、ただ心を落ち着けているだけかもしれない。
でも、それで十分だ。
いわばこれは、「夜勤に立ち向かうための変身ポーズ」みたいなもの。
ルーティンワークだ。
今日もまた、
「クイックペイ!」
夜勤中:眠気と戦う主砲としてもう1本
夜勤も中盤に差し掛かると、あの静けさと眠気の波がジワジワと襲ってくる。
誰もしゃべらない空間。真夜中でも全力で照らしてくるLED。
設備の機械音だけが響く、深夜3時。
向かうのは、コンビニのエナジードリンクコーナー。
真っ先にモンスター(230円)だけを手に取り、レジへ。
「クイックペイ♪」
そして僕は、ためらうことなく2本目を開ける。
このタイミングでのモンスターは、
「戦闘中の回復アイテム」に近い。
ゲームで言うならハイポーション。いや、エリクサー。
一気にカフェインが体内に流れ込み、視界がシャキッとシャープになる。
脳が「おい、まだ終わってないぞ」と言ってくる。こわい。
ここで1本あるのとないのでは、まるで集中力が違う。
睡魔と戦いながら作業を乗り切るには、これが必要なのだ。
……と思い込んでいる時点で、すでに依存っぽい。
でも、もうやめる気はない。
これは僕の「真夜中の武器」だ。
「クイックペイ!」
夜勤後:なぜかもう1本
仕事が終わった瞬間、普通なら「あとは寝るだけ!」となるはず。
でも僕の体は、そうじゃない。
なぜなら──
すでに2本のモンスターで “異常に覚醒した状態” になっているからだ。
そんな中、僕はまたコンビニへ向かう。
洗脳されたように、モンスターを手に取り、レジへ。
「クイックペイ♪」
心拍数はやや早く、思考はぐるぐる巡り、
体は疲れているのに、脳だけが異様に元気。
そのアンバランスさを整えるために、なぜかもう1本、飲んでしまう。
「もう飲まなくていいのでは?」
──という冷静な自分の声は、確かに聞こえている。
でも、モンスターを開ける“プシュッ”という音が、
もう快感になってしまっているんだ。
こうして3本目のモンスターが、夜勤明けの朝日に照らされながら開封される。
そのときの僕は、もはや読書か筋トレか、
何かしらの行動を始めてしまっている。
眠れない? いや、もうどうでもいい。
この覚醒感を、ただ享受するしかないのだ──もう止まらない。
「クイックペイ!」
なぜか読書を始める
夜勤明け、眠れない僕の選択
夜勤が終わったあと、人は寝るべきだ。
誰だってそう言うし、僕もそう思っていた。
でも──
モンスター3本キメたあと、布団に入ってもまったく眠れない。
目をつむっても、まぶたの裏に「やり残したことリスト」みたいなものがスクロールされていく。
スマホを見るのはもうやめた。
SNSや動画は目が痛くなるし、全然リラックスできない。
かといって音楽も落ち着かない。
無音は……不安だ。
じゃあ、どうするか?
──本だ。
本なら静かに、穏やかに、眠りに向かえるかもしれない。
そう考えた僕は、
モンスター3本分のカフェインがぐるぐる回る頭で、
そっと本棚に手を伸ばした。
手に取ったのは、なぜか“泣ける小説”
このタイミングで選ぶべきだったのは、エッセイとか短編集だった。
静かに読める、頭に優しい本。
でも、手が伸びたのは──
よりによって「泣ける」と噂のヒューマンドラマ系の小説だった。
「なぜこの本を選んだのか?」
──理由はない。たまたま目に入った。それだけだ。
脳が疲れていると、妙に感傷的になることがある。
たぶん僕は、カフェインのせいで「泣く準備」が完了していたんだと思う。
最初は軽い気持ちだった。
数ページ読んで、気が済んだら寝ようと。
でも、気がついたら登場人物の感情にぐいぐい引き込まれていた。
1ページ、1ページ。
なんでもない描写にさえ、胸がじんわりする。
しかもこの本、一度読んだことがある。
結末も知っている。
それでも、読む手は止まらなかった。
知っていても、なお、心が動かされる。
──完全に、「泣く準備」は整っていた。
涙が止まらない。これは読書なのか、発作なのか。
そして──来た。
“あのページ”を読んだ瞬間、涙がぶわっと溢れてきた。
大号泣ではない。静かに、でも確実に目から流れていくやつ。
自分でも驚いた。
「え、なんで泣いてんの俺?」って。
悲しい話ではあった。
しかも、展開を知っていた。来るとわかっていた。
それでも──普段なら絶対に泣かないはずだった。
カフェインで冴えすぎた脳、疲労困憊の体、そして、感情だけがやたら敏感な状態。
全部が合わさったとき、人はなぜか”読書中に発作のように泣く”らしい。
※個人差があります。
布団の中、隣にはモンスター、そして泣きながら読む小説。
何のシーンだよ、これ。
そう思いつつも、僕はページをめくり続けた。
もう眠れなくてもいい。
ただ、
この気持ちだけは、味わっていたかった。
モンスターと読書と涙
カフェインと感情の同時暴走
読みながら泣いている自分に、
「これは本当に読書で起こってるのか?」と何度も問いかけた。
感動はしている。確かにしている。
でも、それと同時に、心拍数も上がっているし、指先も震えているし、妙に暑い。
これはもしや──
読書による感動と、カフェインの副作用が同時に来てるだけなのでは?
そう思ったとき、急に冷静になった。
でも、もう遅い。
心はすっかり物語の中に入り込んでいる。
カフェインがエンジンになって、感情がドリフトしてる。
本来なら静かに読むはずだった一冊が、
今や僕の涙腺をバンバン叩いてくる暴走車になっていた。
感情のジェットコースターに乗りながら読むって、
こういうことだったんだ。
涙の理由は“物語”だけじゃなかった
気づいてしまった。
僕が泣いた理由は、ただその小説の内容が感動的だったからじゃない。
たぶん、夜勤で擦り減っていた心に、
物語が優しすぎたんだと思う。
ずっと張りつめていた何かが、
本の中のたった一言でほろっと崩れた。
登場人物が誰かを許すシーンで、
「なんでこんなに胸が締めつけられるんだろう」って、不思議に思った。
でもきっと、それは──
僕自身が、自分を許したかったから。
「ちゃんとやれてるかな」
「ダメなやつなんじゃないか」
そんな自分への疑いを、物語の中でほんの少し癒してもらったのかもしれない。
涙の理由は、本の中じゃなくて、僕の中にあったんだ。
布団の中、胸に手を当てながら、
僕は自分の心臓の鼓動を聞いていた。
「クイックペイ♪」
読書って、こんな使い方もアリなんだと思った
夜勤明けの頭で、
モンスターを浴びて、
泣きながら本を読む。
それって冷静に考えたら、完全にバグってる。
シャワーを浴びるのを、完全に忘れている。
でも──
こんなに心を揺さぶられる読書って、アリなんじゃないか?
そう思った。
誰かのために読む本じゃない。
「自分のために泣く時間」がそこにあった。
眠れない夜に、本がそっと隣にいてくれた。
しかもモンスターまでいた。
空っぽだけど、頼もしい相棒だ。
この奇跡の証として、
LEDライトを浴びながら、光り輝いている。
たぶん、
この日以来、僕の中で読書の意味がちょっとだけ変わった。
読むことは、知識を得ることだけじゃない。
感情をゆるめて、ほんの少し楽になる時間でもある。
そう気づいたとき、
僕はまだ眠れていなかったけど、
心は少しだけ落ち着いていた。
外は、もう完全に明るくなっていた。
ああ……クイックペイ……。
まとめ|眠れなかったけど、読書がそばにいてくれた
夜勤明け、モンスターを3本も飲んでしまったことで、
眠気はどこかへ行ってしまった。
代わりにやってきたのは、なぜか感情の嵐と、静かな涙だった。
眠れなかった。
でも、不思議と「眠れないこと」に焦っていなかった。
その夜は、本の中に自分を溶かすようにして、
ただ静かに、心がほどけていくのを感じていた。
たぶんこれは、僕にとっての読書の正しい使い方ではない。
でも、**僕にとって“必要だった読書”**ではあったと思う。
読書は、頭を良くするためだけのものじゃない。
心をほぐすものでもあり、
モンスターと共鳴しながら泣ける、深夜の感情解放装置にもなり得る。
そんなふうに、自分の中に残った何かを感じながら、
今日もまた、夜勤に出かける準備をしている。
きっとまた、帰り道でモンスターを買うだろうし、
眠れない夜には、また本を開くだろう。
──それでいいと思ってる。
さいごに
※モンスターを飲むときの注意
ここまでモンスター推しで語ってきましたが、
カフェインを含むエナジードリンクなので、飲みすぎには注意が必要です。
特に、
- 空腹時に大量に飲む
- 短時間に何本も飲む
- 就寝前に飲む
といった使い方は、控えたほうが安心です。
あくまで、「ここぞ!」という集中したい時間のお供に。
適量を楽しみながら、読書ライフを充実させましょう。
さいごに
ここまで読んでくれてありがとうございます。
ちなみに、もうちょっと落ち着いたテンションで
「夜勤生活と読書」について真面目に書いた記事もあります(笑)
泣いても、笑っても、読書っていいなって話。
こっちはカフェイン控えめなので安心して読んでください。
では、また。
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