「読み尽くす」って、こういうことかもしれない。僕が小説にハマるまでの4ステップ。

僕なりの読み尽くすアイキャッチ
目次

はじめに――“読み尽くす”って、どういうこと?

「読み尽くす」って、ちょっと怖い言葉だった

この言葉、なんだか怖くない?

「最後まで読め」「すべてを理解しろ」「余さず吸収しろ」――そんな圧を感じる。

読書って本来もっと自由で、気ままなもののはずなのに、「読み尽くす」という言葉を前にすると、自分が怠けているように思えてしまうことがあった。

でも、“関わり方の深さ”なのかもしれない

それでも、この言葉を嫌いにはなれなかった。

なぜなら、たしかに“読み尽くした”と感じた読書体験があったから。

それは、ちゃんと読み終えたかどうかではなくて――

その本に心が引き込まれ、登場人物の感情が染み込んできて、読み終えたあともしばらく離れられなかった、そんな体験。

きっと「読み尽くす」って、そういう“関わり方の深さ”を指すんじゃないかと思う。

僕なりの「読み尽くし方」を紹介してみたい

というわけで、この記事ではぼくが本にハマっていくときの流れを、4つのステップで紹介してみたい。

“最後まで読む”でも、“ちゃんと理解する”でもない。

「自分の感情が深く関わった」と思える読書のかたち――それが、ぼくにとっての“読み尽くす”なのかもしれない。

ステップ1:ちょっと気になるタイトルに出会う

偶然の出会いがいちばん熱い

本との出会いって、計画より偶然のほうがワクワクする。

書店でふと目に留まったタイトル。SNSで誰かが「これ、やばかった」と呟いていた一冊。なんとなく気になって手に取った本が、気づいたら深く刺さってることがある。

出会いに理屈はいらない。むしろ「なんか気になるな」で読み始める本ほど、自分の感性と相性が良かったりする。

ジャケ買い、わりとアリ

タイトルや表紙のデザインだけで買った本に救われたこと、何度もある。

「たぶんこれ、自分好きなやつだ」と思った直感って、案外バカにできない。

帯の惹句やフォント、紙の手触り…そういう“非・中身”に惹かれることも含めて、その時点でもう、読書体験は始まってるのかもしれない。

「今の自分に合ってるかも」が出発点

読書って、自分の状態と本の波長が合わないと入ってこないことがある。

同じ本でも、前に読んだときはピンと来なかったのに、今回は冒頭から引き込まれる――そんな経験、ない?

「今の自分にこの本、合ってる気がする」っていう直感を信じてページをめくる。その最初の1歩が、すでに“読み尽くし”の始まりなんだと思う。

ステップ2:数ページで“掴まれる”

文体のリズムが合うと、スッと入れる

小説って、リズムが大事だと思う。文の長さ、言葉の選び方、改行の間――

目で追ってて気持ちいい文章に出会うと、それだけでどんどん読めてしまう。

逆に、どんなに話がおもしろそうでも、文章のテンポが自分に合わないと、それだけで読み進めるのがしんどくなったりする。

だからこそ、「この文体、好きかも」と思えることは、“物語の入口”としてめちゃくちゃ大きい。

最初のセリフで「この本、好き」ってなる瞬間がある

たった一言で、読者を掴んでくる本がある。

主人公の初セリフ。唐突なモノローグ。独特な地の文の語り口。

「うわ、このキャラ、好き」「この言い回し、クセになる」と感じたら、その時点で気持ちは物語に持っていかれてる。

それってもう、軽く恋してる状態かもしれない。

無理せず読んでるのに、止まらなくなる

気がついたら何ページも読んでた。スマホを触るのも忘れてた。

それって、完全に物語に掴まれてる証拠だと思う。

“ちゃんと読もう”と力まなくても、自然と読み進めてしまう。

それができた時点で、その本はもう、ぼくの中に入り込んできてる。

読み尽くすって、たぶん、そういう感覚の積み重ねなのかもしれない。

ステップ3:読んでるうちに、調べたくなる

舞台や時代背景が気になって、つい検索する

物語の舞台がどこなのか、いつの時代なのか、どんな事件や出来事が背景にあるのか――

読んでるうちに気になって、ついスマホで調べてしまうことがある。

地図で場所を確認したり、登場人物の名前の由来を調べたり。

そんな風に、物語の外側に広がる情報に触れたくなったら、もうかなり本と仲良くなっている証拠だと思う。

感情や記憶とリンクすると、世界が広がる

あるシーンが、自分の記憶や感情にふっと重なる瞬間がある。

「昔こんなことあったな」と思い出したり、「今の自分の気持ちと似てる」と共鳴したり。

そこから、自分の経験をたどるように読み進めると、物語がどんどん“自分ごと”になっていく。

そうなると、読むこと自体が“自分を掘り下げる”作業になって、めちゃくちゃ深い。

読書は本の外にも広がっていく

小説の中で知った言葉が、日常でふと頭に浮かぶ。

そこからまた別の本に興味が湧いたり、似たようなテーマの映画を観てみたくなったり。

読書って、本を閉じたあとも続いてる。その物語がきっかけで、現実の自分の行動や視点が変わることがある。

そういう広がり方をしてくる本って、たとえ途中で読むのをやめたとしても、もう“読み尽くしてる”って言っていい気がする。

ステップ4:読了後も、しばらく余韻が残る

セリフや情景が、何度もよみがえる

読んだはずなのに、ページを閉じたあともずっと物語が頭の中に残っている。

ふとした瞬間に登場人物のセリフが浮かんできたり、あの場面の描写がありありと思い出されたり。

読書が“記憶”ではなく“感覚”として残っているとき、それはもう、かなり深く入り込んだ証拠だと思う。

そんな作品に出会えたときは、「これは間違いなく読み尽くしたな」と思える。

本棚に戻せず、しばらく手元に置いてしまう

読み終えたのに、本棚に戻す気になれないことがある。

ずっと机の上に置いておきたくなる。

ちょっとだけ読み返してみたり、何度もカバーを眺めてみたり、読み終えたページをパラパラとめくってみたり――

この感覚って、まるで別れが惜しい友達と、駅でなかなか帰れない時間みたいだなって思う。

そんな気持ちにさせてくれる本は、もう自分の一部になってる。

読み終えたあと、「出会えてよかった」と思える

読書のゴールって、たぶん「全部読んだ」じゃなくて「読んでよかった」と思えることなんじゃないか。

心が軽くなったり、少し泣けたり、世界の見え方がほんの少し変わったり。

ページの数より、その読書が自分に何を残してくれたか。

そう思える本に出会えたとき、その本はきっと“読み尽くされた”んだと思う。

まとめ――関わる読書ができたら、それで十分

「全部読むこと」じゃなくて、「深く関わること」

昔は、読み終えることが読書の目的だと思っていた。

でも今は違う。最後まで読めなくても、途中で飛ばしても、その本と“何か”が残っていれば、それで十分だと思えるようになった。

“読み尽くす”っていうのは、きっと「どれだけ深く関われたか」ということなんだ。

正しい読み方なんて、どこにもない

読み方は、人の数だけあっていい。

きっちり読むのが好きな人もいれば、飛ばし読みで雰囲気を楽しむ人もいる。

どちらも間違っていないし、どちらもちゃんと読書だ。

大事なのは、自分に合った距離感で本と向き合うこと。自分なりの“読み尽くし方”を見つけられたら、それが正解なんだと思う。

これからも、自分だけの“読み尽くす”を探していきたい

たった一冊の本に、数日間も心を占領されるような体験。

数ページ読んだだけで、自分の気持ちを言い当てられたような驚き。

そんなふうに、本と深く関われる瞬間があるから、読書はやめられない。

これからも、誰かの読み方じゃなく、自分なりの“読み尽くす”を大切にしていきたい。

ちなみに、そんな僕でも初めて読書を習慣にできたときのことを記事にしているので、よかったらご覧ください。

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では、また。

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