⚠️ネタバレ注意:この記事にはワンピース第1155話の重要な内容が含まれています。未読の方はご注意ください。
はじめに
2025年7月21日週発売の週刊少年ジャンプ34号に掲載されたワンピース1155話「ロックス海賊団」は、まさに作品史上最大級の衝撃を与える回となりました。前話でついに姿を現したロックス・D・ジーベックの過去が詳細に描かれ、これまで謎に包まれていた「最強の海賊団」の結成秘話が明かされました。本記事では、この歴史的な一話について詳細に感想と考察をお届けします。
史上初の「花の間」侵入という前代未聞の事件
絶対不可侵の聖域への挑戦
今回最も衝撃的だったのは、ロックスが聖地マリージョアの最深部「花の間」への侵入を史上初めて果たしたという事実です。これまで作中において、「花の間」は世界政府の最高機密であり、イム様が君臨する絶対不可侵の聖域として描かれてきました。そんな場所に、たった一人で踏み込んだロックスの規格外さには言葉を失います。
イム様と対峙したロックスが「デービー・ジョーンズの崇拝者」と名乗った場面も印象的でした。デービー・ジョーンズは古代の海賊として伝説に語り継がれ、デービーバックファイトの語源となった人物です。ロックスがこの名前を口にしたことで、古代から現代に至る海賊史の流れに新たな光が当てられました。
ロックスの冷静さと計算
注目すべきは、ロックスがイム様に対して「何もできない」ことを理解していたという点です。彼は無謀な挑戦者ではなく、世界の頂点に立つ存在の力を正確に把握した上で行動していました。この冷静さと計算高さこそが、後に最強の海賊団を率いることになるロックスの真の恐ろしさを物語っています。
「俺は戻って来るぜ」という宣言は、単なる負け惜しみではなく、明確な意志を持った予告でした。この時点で既に、ロックスは世界を獲るという壮大な野望を抱いていたのです。
ロックスvsハラルド – 覇王色の激突
四皇級の戦いの迫力
聖地マリージョアでのロックスとハラルドの激突は、作中でも屈指の迫力を誇る戦闘シーンでした。両者の覇王色の覇気が激突する様子は、まさにロジャーvs白ひげ、ルフィvsカイドウを彷彿とさせる四皇級の戦いそのものでした。剣が触れ合うことなく繰り広げられる覇気の応酬は、両者の実力が拮抗していることを如実に示していました。
ハラルドの豪胆さ
特に印象的だったのは、ハラルドがレッドラインから飛び降りて脱出したという場面です。この豪快すぎる脱出方法に、ロックスですら驚愕していました。巨人族の王らしい豪胆さと、常識を超越した発想力を見せつけた瞬間でした。
この戦いを通じて、ロックスがハラルドの実力を認め、後にエルバフまで勧誘に向かう理由も明確になりました。ロックスにとってハラルドは、自身の野望を実現するために絶対に必要な戦力だったのです。
ロックス海賊団結成の真実
豪華すぎるメンバー構成
ロックス海賊団の結成メンバーとして、後の伝説となる海賊たちが一堂に会する場面は圧巻でした。後の金獅子シキ、白ひげエドワード・ニューゲート、ミス・バッキン(バッキンガム・ステューシー)、王直、ドン・マーロン、ガンズイという錚々たる面々が、若き日の姿で登場しました。
特に王直の初ビジュアル公開は、多くのファンが長年待ち望んでいた瞬間でした。「海賊教祖」という異名を持つ彼の登場により、ロックス海賊団の多様性がより明確になりました。
デービーバックファイトの真の意味
ロックスが仲間集めにデービーバックファイトを用いたという設定は、この伝統的な海賊ゲームの歴史的意味を新たに定義しました。単なる娯楽ではなく、最強の海賊団を結成するための実用的な手段として使われていたのです。この発想こそが、ロックスの合理的かつ冷徹な性格を表しています。
ハチノス島の重要性
ロックスの最初の目標が海賊島ハチノスだったという事実も興味深い設定でした。元は流刑地だった島が金鉱脈の発見により価値を持つようになったという背景は、ロックスの現実的な戦略眼を示しています。現在黒ひげティーチがハチノスを拠点としているのも、父ロックスの遺志を継ぐ意味があるのかもしれません。
大将殺しという前代未聞の事件
海軍史上最大の屈辱
ロックスによる海軍大将殺害は、作品における「大将」という存在の重要性を考えると、その異質さが際立ちます。これまで大将は海軍の最高戦力として、主人公ルフィですら長らく歯が立たない絶対的な強者として描かれてきました。
ルフィが青雉、黄猿、赤犬の三大将全員に敗北した過去を思えば、大将を「殺害」したロックスの強さがいかに規格外であるかが分かります。現在のルフィがニカの力で黄猿を上回ったとはいえ、それでも大将の圧倒的強者感は健在です。
事件の波紋
この大将殺害事件により、ロックスには高額の懸賞金がかけられることになりました。詳細な金額は明かされていませんが、この時代における前代未聞の事件として、世界政府に大きな衝撃を与えたことは間違いありません。
また、ロックスが逃走時に天竜人への献金(天上金)を積んだ船を奪取し、正義の門を破壊したという事実も、彼の周到さと大胆さを物語っています。
ロキとロックスの運命的邂逅
孤独な王子との出会い
物語の現在時制に戻り、孤独に泣いていたロキの前に現れたロックスの場面は、後の物語に大きな影響を与える重要な邂逅として描かれました。ロキにとって初めて見る「チビ人間」であるロックスの登場は、彼の世界観を大きく変える出来事となりそうです。
ロックスの冷徹な策略
ロックスがロキを利用してハラルドを呼び戻そうとする策略は、彼の冷徹さと計算高さを如実に表しています。息子を傷つければ父親が駆けつけるという単純明快な理論は、人の心理を正確に読み取るロックスの能力を示しています。
この場面でのロキの反応も興味深く、父親が自分の怪我で戻ってくるはずがないという発言からは、ハラルドとの複雑な親子関係が垣間見えます。
今後の展開への期待と考察
黒ひげティーチへの影響
今回描かれたロックスの野望と行動原理は、息子である黒ひげティーチの現在の行動を理解する上で重要な鍵となります。ティーチの船名が「サーベル・オブ・ジーベック号」であることや、ハチノスを拠点としていることも、父の遺志を継ぐ意味があることが明確になりました。
ティーチの特殊な体質(悪魔の実を複数食べられる、眠らない等)も、ロックスの血筋と関係している可能性が高まりました。
デービー・ジョーンズの謎
ロックスが言及したデービー・ジョーンズという存在は、今後の物語において重要な意味を持つ可能性があります。古代の海賊として語り継がれる彼の存在が、現代の物語にどのような影響を与えるのか注目です。
エルバフ編の方向性
当初はエルバフ編として始まった現在の章が、いつの間にかロックス海賊団の結成秘話となっている展開も興味深い点です。エルバフの歴史とロックス海賊団の歴史が密接に関わっていることで、巨人族と世界政府の関係性も新たな角度から描かれることになりそうです。
まとめ
ワンピース1155話「ロックス海賊団」は、これまで謎に包まれていたロックス・D・ジーベックという男の真の恐ろしさと、後の「最強の海賊団」と呼ばれることになるロックス海賊団の結成秘話を見事に描いた傑作回でした。
特に「花の間」への史上初侵入という前代未聞の事件は、ロックスという男がいかに規格外の存在であるかを印象づける素晴らしい演出でした。海軍大将殺害、天上金強奪、正義の門破壊と、次々と繰り出される大事件の数々は、彼の野望の大きさとそれを実現する力の恐ろしさを物語っています。
また、ロックス海賊団のメンバーたちの若き日の姿や、彼らがどのような経緯で集まったのかが明かされたことで、この伝説の海賊団への理解が深まりました。特に王直の初登場は、ファンにとって待望の瞬間だったでしょう。
次週は休載となりますが、この衝撃的な展開の余韻に浸りながら続きを待つ時間も、ファンにとっては貴重なものです。ロックス海賊団がどのような活動を展開し、最終的にゴッドバレー事件へと繋がっていくのか、そしてエルバフという舞台でロキの人生がどのように変わっていくのか、次回の掲載が待ち遠しい限りです。尾田栄一郎先生の描く壮大な歴史絵巻に、今後も注目していきたいと思います。
では、また。


