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読んだ本を忘れてしまう|記憶に残す4つの習慣

開いた本から記憶の断片が広がる読書記録の記事アイキャッチ

先月読んだ本のタイトル、言えますか。
言えたとして、その内容を3分間しゃべれますか。

僕はこれができなくて、けっこう長いあいだ落ち込んでいました。読んでいるあいだは確かに面白いし、心も動いている。なのに1か月経つと、犯人も結末も、下手をすると主人公の名前すら出てこない。「これって読んだ意味あるのかな」と思ったこともあります。

ブログで感想を書くようになって、この悩みはかなり解消しました。ただ、解消した理由は「記憶力が良くなったから」ではありません。忘れることを前提にした読み方に変えたからです。

この記事では、読んだ本の内容が残らない理由と、僕が実際に続けている4つの習慣を書きます。ノートを作れとか、要約を書けとか、そういう重い話はしません。続かない方法に意味はないので。

目次

忘れるのは、あなたの記憶力の問題ではない

先に結論を書くと、読んだ内容を忘れるのはごく普通のことです。一度読んだだけで、細部まで覚えているのは難しいものです。

小説の長さは作品によりますが、1冊には膨大な情報が含まれています。それを一度で全部覚えるのは簡単ではありません。記憶力が悪いのではなく、最初から細部まで覚える読み方をしていないだけです。

ただ、ここで大事なことがあります。内容を忘れていても、読んだ体験そのものは残っています。

あらすじを言えない本でも、「あれは怖かった」「読み終わってしばらく動けなかった」という感覚は覚えているはずです。読書で本当に残るのはそちらです。情報として残らなかったことを、失敗だと思わないでほしいと思います。

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それでも「残る読書」にしたい理由

とはいえ、内容が残ったほうが読書は確実に楽しくなります。これは実感として言えます。

覚えている本が増えると、本と本がつながり始めるんです。「この構成、前に読んだあの作品と同じ手だ」「この作家はいつもこの角度から書くな」といったことが見えてくる。1冊ずつ独立した娯楽だったものが、だんだん地図になっていきます。

特にミステリはこの効果が大きいジャンルです。過去に読んだ作品の記憶があるほど、仕掛けへの反応が鋭くなります。どんでん返し系のミステリをまとめた記事で紹介している作品も、何冊か読んだあとに読むと驚き方が変わってきます。

記憶に残す4つの習慣

どれも1分から始められるものにしました。上から順に、負担が軽いものを並べています。

① 読み終えた直後に、一言だけ声に出す

本を閉じたその場で、感想を一言だけ声に出します。「やられた」「思ってたのと全然違った」「あの場面がずっと残る」——それくらいで十分です。

書くのではなく声に出すのがポイントで、これは言葉にする作業を1秒で終わらせるためです。「あとでちゃんと感想を書こう」と思った本は、たいてい書かないまま忘れます。閉じた瞬間が、いちばん言葉が出てくるタイミングです。

これだけでも、あとで思い出す手がかりになります。頭の中にあるぼんやりした感覚を一度言葉にしておくと、記憶をたどりやすくなります。

② 記録するのは「あらすじ」ではなく「自分の反応」

読書記録が続かない原因は、たいていここにあります。あらすじをまとめようとするからです。

あらすじの要約は労力が大きく、しかも書いていて楽しくありません。おまけに、あとから読み返しても面白くない。だから続きません。

代わりに書くのは、自分がどう反応したかだけです。

  • どの場面で手が止まったか
  • どこで嫌な予感がしたか
  • 読み終わってどんな気分だったか
  • 誰にすすめたいか

これなら1冊2〜3行で終わります。そして半年後に読み返すと、あらすじ要約よりはるかに鮮明に本の記憶が戻ってきます。自分の感情がフックになるからです。

③ 付箋は「あとで見返すため」ではなく「止まった印」として貼る

読書中に付箋を貼る人は多いと思いますが、貼った付箋を実際に見返している人は少ないはずです。僕も見返していませんでした。

それでも付箋には意味があります。付箋を貼るために一度立ち止まることが、その場面を意識するきっかけになるからです。手を止めて、貼って、また読み始める。この数秒の中断が、記憶の引っかかりを作ります。

だから「見返さないから意味がない」と思ってやめる必要はありません。貼った時点で仕事は半分終わっています。電子書籍のハイライトでも同じです。

④ 誰かに話す、または書く場所を持つ

これがいちばん効きます。断然です。

僕がブログを始めて最初に驚いたのは、感想を書いた本だけ内容が異様にはっきり残ることでした。1年前に書いた記事の本でも、かなり細かく思い出せます。一方で、同じ時期に読んで記事にしなかった本は、ほとんど残っていません。

理由は単純で、人に伝えるために書くと、内容を自分の言葉に置き換える必要があるからです。この置き換えの作業が、読んだものを自分の記憶に組み込みます。読むだけでは通り過ぎていくものが、書くと引っかかる。

ブログでなくてもかまいません。SNSに一言でも、読書アプリのレビュー欄でも、家族に話すだけでも同じ効果があります。誰かに向けて言葉にすることが本質です。

ちなみに、ブログを書くこと自体は想像以上に時間を食います。そのあたりの正直な話は読書ブログを始めたら逆に本が読めなくなった話に書きました。感想を書く場所を作るなら、軽いところから始めるのがおすすめです。

忘れた本は、もう一度読める

最後にひとつ、気楽な話をさせてください。

内容を忘れた本には、大きな利点があります。もう一度、初読に近い状態で読めることです。

特にミステリはそうです。犯人を忘れていれば、あの驚きをもう一度味わえます。全部覚えている人には二度と手に入らないものを、忘れた人は持っています。

僕は数年前に読んだ本を、内容を忘れたことに気づいて読み直したことがあります。結末を知らないまま読めて、しかも1回目とは違う場所で引っかかりました。損した気はまったくしませんでした。

読書は情報を蓄積する作業ではありません。読んでいるあいだが楽しければ、それでもう成立しています。読書で得られるものについて書いた記事でも触れましたが、残るものは内容よりも、読んでいた時間そのものだと思っています。

読書のお供に(自作BGM)

感想を書くときに流している読書用のBGMを、自分で作って公開しています。本を閉じたあとの数分を言葉にする時間にあてるとき、音があると集中しやすいです。詳しくはチャンネル紹介の記事へ。

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さいごに

覚えたい人は、本を閉じた瞬間に一言だけ声に出してみてください。それが習慣になったら、2〜3行だけ書き残してみてください。

忘れてもいい人は、忘れたままでいいと思います。忘れた本をもう一度楽しめるのは、けっこう得なことです。

どちらにしても、読んだことが無駄になることはありません。

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